無理のないダイエット法は中島こうやクリニックの栄養士にご相談を

インスリンの消耗を防ぎ、インスリンの働きを保つには、血糖値が急に上がらないような食事の摂り方をすることが大切です。

同じカロリー数の食品でも、血糖を急に上げるものとゆっくり上げるものがあります。
ある食品を摂ったときに、血糖値がどれだけ早く上がるかを示す指数を、グリセミックインデックス(GI)と言いますが、白米より玄米、白食パンより全粒粉パンが、GI値が低く、おすすめです。

また、食べる順序でも血糖値の上がり方が違ってきます。野菜や酢の物→肉や魚→ご飯の順番に(ご飯は最後に)食べるのが、血糖値が急に上がるのを防ぐ良い方法です。

最悪なのは、空腹時に砂糖を使ったお菓子やジュースを摂ることです。

からだをサビさせ、老化を進行させる活性酸素やフリーラジカルを取り除くためには、抗酸化作用のある食品を充分に摂る必要があります。

ビタミンCとビタミンEは、協力して活性酸素を除去します。亜鉛や銅などのミネラルは、抗酸化酵素の原料になります。

カラフルな野菜には、強力な抗酸化作用のあるフィトケミカル(植物化学物質)が豊富に含まれています。βカロテン(ニンジン)、リコピン(トマト)、ルテイン(ブロッコリー)、カプサイシン(唐芥子)などのカロテノイド、アントシアニン(ブドウ)、リンゴポリフェノール(リンゴ)、カテキン(緑茶)などのポリフェノールが、代表的なフィトケミカルです。
また、サケ・エビ・カニなどの赤い魚介類に含まれるアスタキサンチンも強力な抗酸化作用を持っています。

加工食品には添加物が多く含まれ、活性酸素やフリーラジカルを発生しやすいので避ける必要があります。また、マグロなどの大型魚には食物連鎖により水銀などの有害ミネラルが多く含まれますので、摂りすぎに気をつける必要があります。

魚油に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸には、悪玉コレステロールを減らし、血管を詰まりにくくして、心臓病や脳卒中を防ぐ働きがあります。

グリーンランドのイヌイットに心筋梗塞が少ないのは、EPAを多く含むアザラシの肉を食べているからだと考えられています。DHAには脳を活性化する作用があり、DHAを多く摂る高齢者には認知症が少ないといわれています。

また、オリーブオイルにも善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす作用があり、オリーブオイルの消費量が多いギリシアの心臓病発生率は、他のヨーロッパ諸国の3分の1です。最近、オリーブオイルを摂ると、心臓病だけでなく、脳卒中の発生率も減少するということが分かりました。

マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やして動脈硬化を進行させ、発がん性もあるため、摂ってはいけません。

動物性脂肪の摂取をひかえるために、できるだけ肉は摂らないようにしているという人が多いようですが、それは誤った考えです。

肉には豊富な蛋白質が含まれています。
蛋白質は、筋肉・皮膚・内臓など、体の構造を作るだけでなく、ホルモンや酵素の原料となり、体の免疫機能にも関与する大切な栄養素です。
良質な蛋白質は、コラーゲンを作り、成長ホルモンの分泌を促します。
高齢者における蛋白質不足は、血管を弱くして脳血管障害の原因になり、免疫力を低下させ、感染症の原因にもなります。要介護の人はアルブミン値が低いといわれており、蛋白質を十分に摂り、アルブミン値を保つことが重要です。

魚には良い脂が含まれていますが、蛋白質の量では、肉には及びません。もちろん、大豆類だけで十分な蛋白質を摂ることは困難です。蛋白質が不足しないためには、良質の肉を適切量摂ることが重要です。
なかでも、鶏肉には、筋肉疲労を防ぎ、抗酸化作用のあるカルノシンが多く含まれており、積極的に摂りたいものです。また、豚肉には牛肉の10倍のビタミンB1が含まれています。